調節(ピント合わせ)
目に入った光は、水晶体で屈折してピント合わせをしています。この水晶体を動かしているのは毛様体筋です。毛様体筋が緊張したり弛緩したりして水晶体を変形させることによって、遠くのものと近くのものを見分けることができます。
水晶体を厚くして近くにピント合わせすることを“調節”と言います。
遠くを見た時
無限遠からの平行光線は目の屈折作用(角膜と水晶体による)を受けて、網膜で焦点を結びます。
中間距離を見た時
目の屈折作用を受けて、
網膜の後ろで焦点を結びます。
毛様体筋が緊張して水晶体が厚くなり
網膜に焦点を合わせます。
近くを見た時
さらに網膜の後ろで焦点を結びます。
毛様体筋はより緊張して、水晶体を厚くさせ、
網膜に焦点を合わせます。
調節力
水晶体が最も薄い状態から、調節して最も厚くなるまでの力を“調節力”と言います。
目と物体との距離が近い程、焦点が網膜から遠ざかり、ピントを合わせるのに大きな調節力が必要になります。
- 子供はとても大きな調節力を持っています。
- 40歳頃から水晶体の弾力性が低下し、調節力が落ちることを老視(一般的に“老眼”)と言います。
調節力と年齢との関係
年齢 (歳) | 調節力 (D) |
---|---|
10 | 12 |
20 | 9 |
30 | 6 |
40 | 4 |
50 | 2 |
60 | 1 |
引用: 田中直彦・所敬 (1987). 『現代の眼科学』. 改訂第3版. 金原出版.
屈折
正視、近視、遠視は、水晶体が最も薄い無調節の状態で無限遠からくる平行光線の焦点を結ぶところが異なります。
屈折作用(角膜と水晶体による)と眼軸長(角膜から網膜までの長さ)によって屈折状態が変わります。
正視、近視、遠視の焦点
- 正視:
- 網膜に焦点を結ぶもの
- 近視:
- 網膜より前に焦点を結ぶもの
- 遠視:
- 網膜より後ろに焦点を結ぶもの
- 乱視:
- 異なる二つの屈折を持つもの